日本で航空ショーというと「デモ飛行やアクロバット飛行を見て楽しむ」と思いがちですが世界の航空ショーは かなり違います。
　世界の２大航空ショーといわれているのが１年毎交互に開催される「パリ航空ショー」と「ファンボロー航空 ショー」です。

　例えば、パリ航空ショーは「サロン　ド　ルブールジェ」と言われるように、これ等の航空ショーは商談の場です。
　世界の最新鋭機のデモ飛行やアクロバット飛行はありますが、これらを見物するのに一番良い滑走路前には 　「シャーレー」と呼ばれる航空機メーカーや関連メーカーのプレハブ小屋が立ち並んでいます。
　小屋と言っても庭まで付いた立派なもので、中は立派なレストラン仕立て、一流シェフが作るフルコースを食べな がらデモ飛行を見ながらの商談をするわけです。
　一般の観客もいますが滑走路の端の芝生で見学です。

　また、飛行場の一角には広大な展示場が出来、各メーカーや政府機関等が各種の展示を行い情報収集には絶好の 場となっています。
　滑走路の一角にはデモ飛行をした各国の最新鋭機が展示されていますが、電子戦技術者としては翼端のアンテナや 胴体の膨らみ（胸じゃないよ！）に眼が行ってしまいます。
　「えーと、機首上部のあれがＩＦＦのインタロゲーターで、主翼端と尾翼の先端がＲＷＲで、尾翼下がＸ，Ｋｕの ＥＣＭで…」「ところでＩＲミサイルの検出センサーはどこにあるんだ？」と興味が尽きません。
　胴体のアクセスドアの注意書きにも運用のヒントが出ている時があり、写真を撮りまくります。

　素晴らしいアクロバット飛行に歓声が上がる中、屋内展示場を這いずり回っていたり屋外展示の最新鋭機を舐める 様に見回していたりと電子戦技術者の情報収集は楽ではありませんでした。